コーチからピアへ
「こんなつらい思いを、もう誰にもしてほしくない!」
そんな強い願いを胸に、2020年、日本人として初めてIAOTRC(国際トラウマ回復コーチング協会)認定のトラウマ回復コーチとなりました。
しかし、活動を続ける中で、年を重ねるごとに少しずつ違和感が募っていきました。
そして2024年5月頃、所属していたIAOTRC内で大きな問題が発生。
国境を越えて友となった多くのトラウマ回復コーチ仲間が協会を去ることになりました。
私もまた、それまで4回ほど新コーチたちのメンターを務めていましたが、その時に担当していたメンター業を最後に、IAOTRCから離れる決断をしました。
もちろん、IAOTRCに所属したことで得られたものも多くあります。
親友と呼べる仲間との出会い、最新のトラウマのバイオロジーやトラウマ治療に関する情報へのアクセスなど、かけがえのない財産になりました。
また、ちょうどその頃、かなり深くのめり込んでいたIFS(内的家族システム)を使って、これまで見えていなかった自分の内面が少しずつ見えるようになっていきました。
そして、気付いてしまったのです。
「こんなつらい思いをもう誰にもしてほしくない!」という願いは、過去に誰にも救ってもらえなかった自分を救おうとして生まれた思いだったことに。
そう気づいた瞬間、私は即座に自問しました。
「投影が起きている状態でコーチを続けていいのだろうか?」
むしろ、助けたいという気持ちが強すぎることで、かえって相手を傷つけてしまうのではないか?
方向を見失い、これからどうすべきか分からないまま、ただ時間だけが過ぎていきました。
それでも、「今の活動をやめてはいけない。諦めてはいけない」と自分を奮い立たせ、悩み続ける日々がほぼ一年間続きました。
そして辿り着いた答えが、「ピア」という形でした。
イタリアから日本に戻ってきてからの回復の歩みを振り返ると、そこにはいつも、親友やピアとしての仲間との支え合い、情報交換、経験のシェアがありました。
それはカウンセリングでもコーチングでもない、「ピア」という関係。
対話の中で、
「その経験、わかるよ!」
という共感の言葉が積み重なることで、それまでどうしようもなかった「理解されないという孤独の氷」が、少しずつ溶けていく。
私はそんな経験を繰り返し、ピアの力を実感してきました。
同じ苦しみを経験してきたからこそ、あなたの想いに心から寄り添い、共感し合えるつながりを!
トラウマピアを通して、一緒にはぐくんでいくことが出来たらと思っております。
学歴・経歴
- 外資系化学企業2社にて化学物質規制の専門職として従事
- 【生化学博士】イタリア・ミラノ大学博士課程 修了
- 【医科学修士】宮崎大学大学院医学研究科医科学専攻(修士課程)修了
- 【管理栄養士】金城学院大学生活環境学部食環境栄養学科(管理栄養士養成課程)卒業
- 発達性トラウマサバイバー当事者